「AIで稼げる」は本当か?フリーランスデザイナーの収入調査を分析してわかった意外な事実
- 3月18日
- 読了時間: 20分

「AIで稼げる」は誰にとっての話なのか?
結論:AIで稼げるのは主に駆け出しデザイナー。ベテランには全く違う現実がある。
2024年、「AI活用で単価上昇62.7%」という衝撃的な調査結果がニュースになりました。
デザイナー歴20年、独立3年の私は、正直、違和感を覚えたんです。
なぜなら、周りのデザイナーで「AI使ったら単価が上がった!」という話をほとんど聞かないからなんですよね。
むしろ「クライアントもAI使えるようになってきて案件獲得が難しくなってきた」という声の方がちょくちょく聞きます。
でも数字は「6割以上が単価上昇」と言っています。
この矛盾の正体を、日本とアメリカの6つの調査データを徹底分析して解き明かしました。
見えてきたのは、「AI時代のデザイナー格差」という残酷な現実でした。
AIで単価が上がったのは本当?調査の対象者を見ると...
「AI活用で単価上昇62.7%」は駆け出し〜中堅・低単価案件中心のクリエイターを対象にした調査だった。
まず、この話の発端になった調査から見ていきましょう。
調査概要
2024年、クリエイターマッチングサービス「Craudia(クラウディア)」が実施した調査:
| 項目 | 内容 |
|------|------|
| 対象者 | フリーランスクリエイター約300名 |
| 条件 | 直近3か月以内に案件を受託 |
| 結果 | AI活用により単価が上昇: 62.7% |
一見すると「AIを使えば稼げる」と思える数字ですよね。
でも、調査内容を詳しく見ると、重要な条件が書いてありました。
「直近3か月以内に案件受託」という条件の意味
この条件、実はめちゃくちゃ重要なんです。
私も独立3年ですが、最初の1年は本当に苦労しました。
フリーランス初期の現実:
クラウドソーシングで低単価案件を必死に受注
実績を積んでポートフォリオを充実させる
地道な積み重ねで安定受注を目指す
重要なのは、この調査がクラウドソーシングサービス「Craudia」の登録者を対象にしているということです。
クラウドソーシングは、駆け出しデザイナーが案件を獲得するための主要な手段の一つ。
長年のクライアントを抱えて安定しているベテランは、必ずしもクラウドソーシングを利用していません。
AI活用案件の内訳が示す重要な事実
さらに、調査結果を見ると、もう一つ重要なデータがありました。
AI活用案件の内容トップ3:
サムネイル制作: 51.8%
バナー制作: 38.2%
ロゴ制作: 29.1%
サムネイル制作が5割を超えています。
これが何を意味するのでしょうか?
YouTubeサムネイルやSNS用のサムネイル制作は、比較的単価が低い領域です。
もちろん、高単価のサムネイル案件もあります。
でも、平均的には低単価案件が中心なんですよね。
つまり、この調査は「駆け出し〜中堅の、比較的低単価案件を中心に扱うクリエイター」が多く含まれている可能性が高いわけです。
駆け出しデザイナーにとってのAI
そして、そういう層にとっては、AIツールは確かに強力な武器になります。
AI活用の効果(駆け出し層):
Canvaや各種AI画像生成ツールで作業効率が向上します
同じ時間でより多くの案件をこなせる可能性があります
余裕が出た分クオリティも上げられます
生産性が上がれば、同じ時間でより多くの案件をこなせます。
結果として「単価が上がった」と感じるのは、とても自然なことですよね。
でも、これはあくまで「駆け出し〜中堅・低単価案件中心」という特定の層の話なんです。
ベテランデザイナーの実態とは、全く異なる可能性があります。
ベテランデザイナーの実態は?日本のデータを探したが...
日本では「デザイナー限定」かつ「経験年数別」のデータがほとんど見つからなかった。
「AIで単価上昇」というニュースを見て、私が一番知りたかったのは「ベテランデザイナーの実態」でした。
日本国内でそういう調査データがないか、かなり探しました。
でも、残念ながら見つかりませんでした。
日本のフリーランス全体の状況
ただ、一つだけ参考になるデータがありました。
マイナビが実施した「フリーランス白書2023」です。
これはデザイナーだけでなく、全職種のフリーランスを対象にした大規模調査なんです。
日本のフリーランスの厳しい現実:
月収0円の月が年間であった: 32.4%
フリーランスとしての働き方に不満: 42.4%
3人に1人が「月収ゼロの月があった」と答えています。
4割以上が「不満を感じている」んです。
これ、かなり厳しい現実ですよね。
もちろん、これは全職種の平均なので、デザイナーに限った話ではありません。
でも、少なくとも「日本のフリーランス全体」で見ると、決してバラ色ではないわけです。
「AIで単価上昇6割」というニュースの華やかさとは、かなりギャップがあります。
海外データを調べる必要性
日本国内にデザイナー限定のデータがないなら、海外のデータを見るしかありません。
そこで、アメリカとヨーロッパのデザイナー調査を調べました。
そこで見つけたのが、衝撃的な「AI格差」の実態だったんです。
AIで仕事が増えたのは誰?若手とベテランで2.6倍の格差が判明
AIの恩恵は若手とベテランで2.6倍の格差。若手44%、ベテラン17%しか「仕事が増えた」と感じていない。
2024年、デザインプラットフォーム「99designs」が、10,000人以上のデザイナーを対象に大規模な調査を実施しました。
この調査は、デザイナーに特化していて、経験年数別のデータも含まれています。
その結果が、本当に衝撃的だったんです。
経験年数別の「仕事が増えた」実感
AIの影響で仕事が増えたと感じているデザイナー:


同じ「AI時代」という環境でも、若手とベテランでは、全く違う現実を生きています。
若手の4割以上が「AIのおかげで仕事が増えた」と感じている一方で、ベテランでそう感じているのはわずか17%なんです。
むしろ、ベテランの多くは:
「AIで競争が激化した」
「単価が下がった」
「若手との差別化が難しくなった」
と感じているんですよね。
なぜこの格差が生まれるのか?
調査レポートの中で、この格差の理由が分析されています。
この格差が生まれる理由を考えてみると:
若手デザイナーにとって、AIはスキル不足を補い、成長スピードを加速させる強力な武器になります。
一方、ベテランにとっては、これまで自分の優位性だった「経験で培ったスキル」の一部がAIで代替可能になりつつあるわけです。
つまり、AIは「スキルの底上げツール」として機能しているわけです。
今まで「スキルがないからできなかった仕事」が、AIを使えばできるようになります。
それは若手にとっては大きなチャンスなんですよね。
でも、ベテランにとっては「今まで自分の優位性だった部分」が脅かされることを意味します。
私自身が感じるこの格差
私自身、この感覚はよくわかります。
20年デザインをやってきて、IllustratorやPhotoshopを自在に使えることは「当たり前のスキル」でした。
でも、AI画像生成ツールが出てきて、「イラストが描けない人」でも、それなりのビジュアルを作れるようになりました。
もちろん、プロのイラストレーターには及びません。
でも、「低予算のクライアント」にとっては、「それなり」で十分なんです。
こうして、若手とベテランの「AI格差」が生まれています。
そして、この格差は2025年〜2026年にかけて、さらに拡大しています。
2025年〜2026年のデザイナー市場はどうなっている?
市場全体は成長しているが、個人レベルでは「二極化」が進行している。
2025年〜2026年の最新データを見ると、デザイナー市場全体は成長を続けています。
市場規模と平均収入
デザイナー市場の現状:
市場規模: $55.1 billion(約8兆円)
成長率: 年率3-5%で成長中
平均日給(イギリス): £390/日(約7.5万円/日)
出典:
一見すると、デザイナー市場は健全に成長しているように見えますよね。
「平均」という数字のマジック
でも、ここで重要なのは「平均」という数字のマジックなんです。
平均が上がっているからといって、全員が稼げているわけではありません。
むしろ、データを詳しく見ると、「二極化」が進んでいることがわかります。
YunoJunoの調査では、こんなことも報告されています:
「AI関連スキルを持つフリーランサーの日給は、平均より大幅に高い」
つまり:
AIスキルを持っている人 → 平均以上の収入
AIスキルを持っていない人 → 平均以下の収入
明確な収入差が生まれているわけです。
AI時代の「勝ち組」と「負け組」
市場全体が成長していても、個人レベルでは差が出てきています。
私自身の周りを見ていて感じるのは:
収入が上がっているデザイナー:
AIを道具として使いこなしている
AI以外の「人間にしかできない価値」を提供している
特定分野で専門性を深めている
厳しくなっているデザイナー:
AIで代替できる作業だけをやっている
変化に対応せず、従来のやり方を続けている

この「二極化」は、2026年の最新調査でさらに明確になっています。
コア業務でAIを使っているデザイナーは31%だけ?
デザイナーのAI活用は、開発者に比べて渡り遅い。そこには理由がある。
2026年1月、デザインエージェンシー「Humbl Design」が発表した最新レポートが、さらに衝撃的な事実を明らかにしました。
Figma調査が示すデザイナーのAI活用実態
Figma 2025 AIレポートおよびHumbl Designのデータ:
コアデザイン業務でAIを使用しているデザイナー: 31%
開発者のAI活用率: 59%(比較として)
AIスキルを持つ人と持たない人の収入差: 56%

この数字、めちゃくちゃ重要なんです。
開発者の59%がコア業務でAIを使っているのに対し、デザイナーは31%しか使っていない。
これはデザイナーが新しいツールの導入に消極的だからではありません。単純に、AIツールがデザイナーの本当の課題を解決できていないからなんです。
そして、AIスキルを持つ人と持たない人では、収入に56%の差が生まれているというのも重要なポイントです。
「AIの60%問題」とは何か?
レポートの中で、非常に興味深い指摘がありました。
「AIの60%問題」
AIツールは、タスクの「60%まで」は驚くほど速くやってくれます。
でも、残りの40%——つまり、本当に価値がある部分——は、人間がやらないといけません。
そして、この「残りの40%」こそが、デザイナーの真価が問われる部分なんです。

残りの40%とは具体的に何か?
AIができること(最初の60%):
大量のデザイン案を瞬時に生成
テンプレートベースのレイアウト作成
基本的な画像加工
カラーパレット提案
人間がやるべきこと(残りの40%):
AIが生成した画像を、クライアントの要望に合わせて調整する
ブランドの世界観に合わせて、細部を作り込む
全体のバランスを見て、構成を最適化する
クライアントの課題を理解して、最適なビジュアルを提案する
この「残りの40%」をきちんとできるかどうかで、デザイナーの価値が決まります。
「AIを使っている」だけでは、何の優位性にもなりません。
「AIが60%やってくれた後、残りの40%をどうやるか」が、デザイナーの真価なんです。
私自身の経験
私自身の経験でも、これは本当にそうだと感じます。
AIツールを使えば、確かにラフ案(叩き台)は一瞬で数パターンとか出せます。
でも、その中から「クライアントの課題を本当に解決するもの」を選び、細部を作り込むのは、結局デザイナーの仕事なんです。
そして、この部分は20年の経験が生きる部分でもあります。
クライアントが「AIを使えるデザイナー」に本当に求めているものは?
クライアントが求めているのは「AIスキル」ではなく「提案力」「ブランド理解力」「コミュニケーション能力」。
99designsの調査では、クライアントが「AIを使えるデザイナー」に求めるスキルについても質問しています。
その結果、トップ3は以下の通りでした:

注目すべきは、「AIの使い方」や「技術的なスキル」は、トップ3に入っていないことです。
クライアントが求めているのは、「AIスキル」そのものではなく、「AIを使って何ができるか」なんですよね。
1. 提案力・企画力が最も重要
提案力・企画力が最も求められています。
これは、まさに「残りの40%」の話ですよね。
AIが素材を生成してくれても、「どういうビジュアルがクライアントの課題を解決するか」を提案できなければ、価値は出ません。
提案力が求められる場面:
クライアントの曖昧な要望を具体化します
ビジネス課題をデザインで解決する方法を示します
複数案を提示し、それぞれのメリット・デメリットを説明します
データに基づいた根拠のある提案をします
これは、AIツールだけでは絶対にできないんです。
2. ブランド理解力も重要
ブランド理解力も重要なんです。
AIは「それっぽい画像」は作れますが、「このブランドらしい画像」は作れません。
ブランド理解力が必要な場面:
ブランドの世界観を深く理解します
トンマナ(トーン&マナー)を統一します
ブランドの価値観をビジュアルで表現します
競合との差別化を図ります
これは、デザイナーの経験と洞察力が求められる部分です。
3. コミュニケーション能力
コミュニケーション能力も見逃せません。
クライアントの曖昧な要望を具体化し、意図を汲み取り、最適な提案をします。
これは、20年デザインをやってきた人間だからこそできることなんです。
コミュニケーション能力が必要な場面:
クライアントの真のニーズを引き出します
デザインの意図を言語化して説明します
フィードバックを的確に理解し、修正に反映します
プロジェクトをスムーズに進行します
AIは、この部分を全く代替できません。
ベテランデザイナーが生き残るために必要な3つの戦略とは?
「AIスキル」ではなく「デザイナーとしての本質的なスキル」を磨くこと。具体的には提案力、専門性、領域拡大。
ここまでのデータ分析から、中堅・ベテランデザイナーがAI時代に生き残るための戦略が見えてきました。
戦略1: 本質的なスキルを磨く
クライアント調査が示す通り、求められているのは:
磨くべき本質的なスキル:
提案力・企画力(最重要)
ブランド理解力
コミュニケーション能力
課題発見力
ストーリーテリング能力
これらは、AIが進化しても代替できない、人間デザイナーの本質的な価値なんです。
戦略2: 専門性を深める
専門性を深めることで、単価を上げやすくなります。特定の分野で深い知識と経験を持っていれば、AIで簡単には置き換えられないからです。
専門性を深める方向性:
特定業界に特化します(医療、金融、教育など)
特定デザイン領域に特化します(UI/UX、ブランディング、モーショングラフィックスなど)
特定ツールのエキスパートになります(Wix Studio、Webflowなど)
戦略3: 領域を拡大する
デザインだけでなく、関連スキルを身につけることで、提供できる価値を増やします。
領域拡大の例:
デザイン + 実装(HTML/CSS、Wix Studio、Webflow)
デザイン + マーケティング(SEO、広告運用)
デザイン + ライティング(コピーライティング)
デザイン + ディレクション(プロジェクト管理)
私自身、Wix Studioの実装スキルを身につけたことで、単価が大きく上がりました。
また、単なる「チラシ、パンフレット、LP作ります」という売り方から、「VI(ビジュアルアイデンティティ)デザインをやります」という大きな括りに変えたことも大きかったです。
これが、領域拡大の具体例ですね。
デザイナー20年の私が独立3年で収益を上げた本当の理由
私の収益上昇はAIとほとんど関係ない。「領域拡大」と「フィールド転換」が決定的だった。
結論から言うと、私の収益は独立3年で上昇しました。
でも、それはAIとは、ほとんど関係ないんです。
私のデザイナー歴20年の軌跡
私がデザイナーになったのは、今から20年前です。
20年の変遷:
紙媒体のデザイン(最初の10年)
- チラシ、パンフレット、ポスターを制作しました
- Illustratorで地道にレイアウトしました
- 印刷会社とのやり取りを経験しました
VIデザインへの展開(次の10年)
- 単なる制作物からブランディングへ
- クライアントの事業全体を見る視点を獲得
- 単価と提供価値が大きく変わりました
独立(2023年3月〜)
- 前職のクライアントを引き継いでスタート
- ポートフォリオサイト経由で新規問い合わせが増加
- Wix Studio(ノーコード)実装スキルを習得し、領域拡大
- Claude CodeなどでAIエージェント開発(試行錯誤中)

独立後の変化
独立後の流れ:
前職のクライアントを引き継いでスタート
ポートフォリオサイト経由で新規問い合わせが増加
Wix Studio実装スキルを習得し、デザイン〜実装まで一貫対応可能に
収益上昇の2つの理由
理由1: 領域拡大
紙媒体 → VIデザイン → Wix Studio実装
デザインだけでなく実装までできます
提供価値が大きく拡大しました
理由2: フィールド転換
「チラシ、パンフレット、LP作ります」→「VIデザインやります」へ
価格競争から脱却しました
価値ベースの価格設定ができるようになりました
これが、私の収益上昇の最大の理由です。
AIは、ほとんど関係ないんですよね。
AIは効率化ツールに過ぎない
もちろん、AIツールは使っています。
私のAI活用:
画像生成AIで素材を作成します
ChatGPT、Claude、Geminiで文章案を考案します
作業効率が上がりました
でも、それは「作業効率が上がった」だけであって、「単価が上がった」わけではないんです。
私の経験で言えば、単価を上げたのは「何ができるか」の拡大であって、AIはその手段の一つに過ぎません。※デザイン系に限ってですが
AI活用は意味がないのか?効率化と単価上昇は別物
AI活用は「効率化」には非常に有効。しかし「単価上昇」には直結しない。
ここまで読んで「じゃあAI活用って意味ないの?」と思った人もいるかもしれませんね。
そうではないんです。
再度、調査データを見る
最初に紹介したPR TIMESの調査を、もう一度見てみましょう。
調査結果の内訳:
修正回数が減少した: 63.2%
納期短縮できた: 58.9%
クオリティが向上した: 51.3%
単価が上昇した: 25.5%
この数字が示しているのは、「効率化」と「単価上昇」は別物ということなんです。
6割以上が「修正回数が減った」と感じています。
これは大きな価値ですよね。
効率化の価値
修正回数が減れば:
同じ時間でより多くの案件をこなせます
クライアントの満足度も上がります
自分の心理的負担も減ります
これは間違いなく、AIがもたらした恩恵です。
しかし単価上昇には直結しない
でも、それが直接「単価上昇」につながっているかというと、そうでもないんです。
実際、「単価上昇」を感じているのは25.5%です。
修正回数減少の63.2%とは大きな差がありますよね。
つまり:
AI活用は「作業効率を上げるツール」としては非常に有効
でも、それだけで「単価が上がる」わけではない
私自身の経験
私自身の経験でも、これは本当にそうなんです。
AI画像生成ツールの活用については、正直、ケースバイケースなんです。
例えば、綺麗なモデルを生成しようとしても、クライアントから「AIっぽくて嫌」と言われることもある。
逆に、かなり幻想的なビジュアルの場合は、AIで生成する方が早かったりする。
一番多いのは、キービジュアルなどで素材サイトの画像を加工して、背景をAIで生成するといったハイブリッドな使い方。
結局、作業時間はさほど変わらないことも多いです。
クライアントは:
「作業時間が短くなったから安くして」とは言いません
でも「作業時間が短くなったから高くする」とも言いません
単価は、あくまで「提供する価値」で決まるんです。
だから、AI活用自体は意味がないわけではありません。
むしろ、必須のスキルになりつつあります。
でも、それだけでは稼げないんです。
その先にある「何を提供するか」が、決定的に重要なんですよね。
この流れは日本にも来ているのか?既に始まっている二極化
アメリカで起きている「AI格差」と「二極化」は、日本でも確実に始まっている。
アメリカで起きている「AI格差」と「二極化」は、確実に日本にも来ます。
というか、もう始まっているんです。
2023年〜2026年の日本の変化
2023年3月(私の独立時):
「AI使えます」というデザイナーはまだ少数派
AIツールを使っているだけで差別化できた
クライアントの理解も浅かった
2024年:
クラウドソーシングサイトで「AI活用」を謳うデザイナーが急増
AIツールの使用が一般化
クライアントも学習し始める
2025年〜2026年:
「AI使えるのは当たり前。その先に何ができるか」を求められる段階
クライアントの目が肥えてきている
「AI使ったらこのクオリティでこの納期は当然」という認識
二極化は本当に始まっているのか?
正直、フリーランスデザイナーの現場で、二極化が明確に始まっているかと言われると、私はまだ疑問に感じています。
ただ、サイバーエージェントの「極予測AI」など、大企業がAIを活用した広告クリエイティブ制作を本格導入し始めているんですよね。このサービスは広告効果の予測からデザイン、コピー、人物像の自動生成まで、広告制作の全工程にAIを導入しており、制作効率は従来の5倍以上に向上しているそうです。
この流れが進めば、格差は広がると思います。
AIエージェントの発展によって、今後さらに二極化が進む可能性はかなり感じています。
日本で起きている二極化
つまり、AIを使っていることは、もはや「プラス評価」ではなく「前提条件」になりつつあるんです。
勝ち組デザイナー(収入増):
AIを活用して、より高い価値を提供できる
AI以外の専門性を持っている
提案力・企画力が高い
負け組デザイナー(収入減):
ただAI使っているだけ
他のデザイナーと差別化できていない
低単価案件にしがみついている
この流れの中で、「ただAI使っているだけ」のデザイナーは、どんどん単価が下がっていきます。
逆に、「AIを活用して、より高い価値を提供できる」デザイナーは、単価が上がっていくんです。
アメリカのデータは日本の未来
アメリカで起きている:
2.6倍格差(若手とベテラン)
56%の収入差(活用できる人とできない人)
これは、日本でも確実に起こります。
いや、もう起こり始めているんですよね。
まとめ:「AIで稼げる」は誰の話か?本質的なスキルを磨こう
「AIで稼げる」は主に若手・駆け出しデザイナーの話。ベテランが生き残るには、本質的なスキルを磨くしかない。
ここまで、日本とアメリカの6つの調査データを分析し、私自身の経験も踏まえて「AIで稼げる」の実態を見てきました。
最後に、もう一度整理しておきますね。
データが示す真実
日本の状況:
「AIで単価上昇」は主に駆け出し〜中堅・低単価案件中心のクリエイター
フリーランス全体では、月収ゼロの月がある人が3割以上
不満を感じている人が4割以上
アメリカの状況:
若手とベテランで、AIの恩恵に2.6倍の格差
AIスキルの有無で収入に56%の差
コアデザイン業務でAIを使っているデザイナーは31%(開発者は59%)
これらのデータが示しているのは:
「AIで稼げる」は、主に若手・駆け出しデザイナーの話
ベテランにとっては、むしろ厳しい状況を生んでいる面もある
AIツールはまだデザイナーの本当の課題を解決できていない
AIはツール。Illustratorと同じ。
堀江貴文さんが、AIについてこう言っていました。
「AIは脳の拡張だ」
これは本当にその通りだと思います。
AIは、人間の能力を拡張するツールなんです。
でも、ツールはあくまでツールなんですよね。
Illustratorを持っているだけでデザイナーになれないのと同じで、AIを使っているだけでは稼げません。
私の経験から言えること
私自身の経験でも、収益上昇はAI活用とは直接関係ありませんでした。
収益上昇の本当の理由:
紙媒体 → Web → Wix Studio実装(領域拡大)
クラウドソーシング → 直接問い合わせ(フィールド転換)
提案力・企画力の向上(本質的スキル)
AIは確かに便利です。
作業効率は上がるし、修正回数も減ります。
でも、それは「手段」であって「目的」ではないんです。
結局、普遍的なことが最も重要
20年デザインをやってきて、独立して3年。
いろんな変化を経験してきましたが、一つだけ変わらないことがあります。
それは、「本質的に価値を提供できるデザイナーが、いつの時代も求められる」ということなんです。
その「本質的な価値」とは:
クライアントの課題を理解する
本質的な問題を見抜く
最適な解決策を提案する
結果に責任を持つ

これができるデザイナーになること。
それが、AI時代に生き残る唯一の道なんです。
逆に言えば、これができないデザイナーは、AIがあろうがなかろうが、淘汰されます。
AIはそれを加速させているだけなんですよね。
あなたに問いたいこと
だから、もしあなたが「AIで稼げるようになりたい」と思っているなら、まず問うべきは:
「私は、クライアントにどんな価値を提供できるデザイナーなのか?」
「AIは、その価値提供のために、どう使えるのか?」
この順番を間違えないでほしいんです。
「AIを使えるから稼げる」のではないんです。
「価値を提供できるデザイナーが、AIを活用することで、さらに価値を高められる」。
これが、真実なんです。
最後に
私自身も、まだまだ道半ばです。
デザイナー歴20年と言っても、独立3年目で、まだまだ学ぶことばかりなんですよね。
でも、一つだけ確信していることがあります。
実力あるデザイナーになることに、近道はありません。
でも、その道を歩き続ければ、AIがどれだけ進化しても、必要とされるんです。
これからも、一緒に頑張りましょう。


