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COLUMN

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「隠す」を「見せる」に変えた男——マルジェラに学ぶロゴドンの本質

  • 3月18日
  • 読了時間: 18分
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はじめに——「ロゴドン」という言葉を聞いて


ファッションの世界で「ロゴドン」という言葉があります。


高級ブランドのロゴがドーンと大きく載っているアイテムのこと。


GUCCIやBALENCIAGA、Louis Vuittonなど、誰もが知るブランドのロゴが全面に主張されたデザインです。


この「ロゴドン」について、ファッション通の間では「ちょっとなぁ」という声を聞くことがあります。


「成金っぽい」「下品に見える」「ブランド名に頼りすぎ」。


そういった批判的な意見も少なくありません。


実際、若い世代を中心に「ロゴいらない」「目立たない方がかっこいい」という"控えめな上質"を求める傾向が強まっているというデータもあります。


正直なところ、僕もTシャツなどでロゴがあまりにも大きく載っていると、「いいの着てるけど、ちょっとデカいかな」と感じることがあります。


でも、ここでふと立ち止まって考えてみました。


「ロゴドン」って、本当に悪いことなのか?


そして、その問いを突き詰めていくうちに、デザインの本質について改めて考えることになりました。


今日は、ロゴドンの是非を超えて、僕がデザイナーとして大切にしている哲学についてお話しします。




マルジェラという「実験場」——二人のデザイナーの対照的なアプローチ


ロゴドンについて考えるとき、僕がいつも思い出すブランドがあります。


Maison Margiela(メゾン マルジェラ)です。


このブランドは、ロゴとブランドアイデンティティについて、とても興味深い歴史を持っています。


マルタン・マルジェラ時代——「服で勝負したい」


マルジェラの創設者、マルタン・マルジェラは「ブランドの匿名性」を大切にしていました。


彼の理念は明確でした。


「ブランドが魅力的なのではなく、洋服が魅力的であるべきだ」


この考えのもと、マルタンは独特のアプローチを取りました。


有名なのが「四つタグ」です。


マルジェラのアイテムには、白い糸で四隅を縫い止められたラベルがついています。


これは元々、「ブランド名を隠す」ためのものでした。


洋服そのものの魅力で勝負したい。


ブランド名に頼りたくない。


そういう哲学の表れだったのです。


マルタン自身も公の場にほとんど姿を見せず、インタビューも受けませんでした。


徹底した「匿名性」へのこだわり。


それがマルタン・マルジェラのスタイルでした。



ジョン・ガリアーノ時代——「隠す行為」をアイコンに


2014年、マルジェラに大きな転換点が訪れます。


ジョン・ガリアーノがアーティスティック・ディレクターに就任したのです。


ガリアーノは、マルタンとは対照的なアプローチを取りました。


それまで「ブランドを隠すため」にあった四つタグを、あえてアイコンとして前面に押し出したのです。


カレンダータグ(0〜23の数字が並んだあのタグ)をデザインに大胆に使用。


ステッチが施されたシンプルなバッグや財布。


ブランドロゴを全面に打ち出したカットソー。


「商業的だ」と揶揄する声もありました。


しかし、結果はどうだったか。


WWDJAPANの報道によると、ガリアーノ就任以来、マルジェラの売り上げは約5倍の5億ドル(約750億円)にまで成長しました。


店舗数も世界で50から120に増加。


アクセサリーの売り上げは全体の60%を占めるようになりました。




なぜガリアーノは成功したのか


ここで僕が注目したいのは、ガリアーノがやったことの本質です。


彼は単に「ロゴをデカくした」わけではありません。


マルタンが作り上げた「隠す」という行為そのものを、新しいアイコンに変換したのです。


四つタグという「匿名性の象徴」を、「マルジェラらしさの象徴」に再定義した。


SNS時代を見据えて、視覚的にすぐわかるアイデンティティを確立した。


Z世代の価値観——多様性、包括性、自己表現——とつながるデザインを展開した。


ガリアーノ自身、こう語っています。


「メゾン マルジェラにおいて私が重要な目標としてきたのは、Z世代の価値観とつながることでもある」




つまり、ガリアーノがやったのは「ロゴドン」という単純な話ではなく、時代に合わせたコミュニケーションの再設計だったのです。


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「キャラクターグッズ」という視点転換


ここで、僕なりの視点を加えさせてください。


ロゴドンを批判する人は多いですが、ふと思ったことがあります。


キャラクターグッズって、究極のロゴドンじゃないか?


キティちゃんのキーホルダーを思い浮かべてみてください。


キティちゃんがいなかったら、誰もそのキーホルダーを買わないですよね。


プラスチックの塊として見たら、原価は数円かもしれない。


でも、キティちゃんというアイデンティティがあるから、価値が生まれる。


人々はそれを買う。


これって、つまり「ロゴ(=アイデンティティ)を買っている」ということです。


ミッキーマウスも同じ。


ピカチュウも同じ。


キャラクターそのものが価値であり、それを身につけることに意味がある。


高級ブランドのロゴドンを「下品」と批判する人が、ディズニーのグッズを嬉々として買っている。


これって、矛盾していませんか?


もちろん、高級ブランドとキャラクターグッズでは文脈が違います。


価格帯も、ターゲットも、社会的な意味合いも異なる。


でも、本質的には「アイデンティティを可視化して、それを通じてコミュニケーションしている」という点で同じだと思うのです。




デザインの目的は「伝わること」


ここまで考えてきて、僕がたどり着いた結論があります。


デザインの目的は「伝わること」である。


ロゴが大きいか小さいか、目立つか控えめか、それは本質ではありません。


大切なのは、伝えたいことが、伝えたい相手に、きちんと伝わっているかどうかです。



「伝わる」の3つのレベル


僕がデザインを考えるとき、「伝わる」を3つのレベルで捉えています。


レベル1:認知される


まず、存在に気づいてもらうこと。


どれだけ優れた製品やサービスでも、認知されなければ意味がありません。


ロゴドンが効果的な場面というのは、このレベルでの効果を狙っていることが多いです。


一目で「あのブランドだ」とわかる。


SNSでシェアされやすい。


話題になりやすい。



レベル2:理解される


次に、何者なのかが理解されること。


高級なのか、カジュアルなのか。


革新的なのか、伝統的なのか。


誰のためのものなのか。


この段階では、ロゴの大きさよりも、全体の世界観が重要になってきます。


色使い、フォント、素材感、言葉遣い——あらゆる要素が「何者か」を伝えます。



レベル3:共感される


最後に、心が動くこと。


「これは自分のためのものだ」と感じてもらうこと。


ここまで到達して初めて、デザインは本当の意味で「伝わった」と言えます。


共感は、ロゴの大小では生まれません。


価値観の一致によって生まれます。



ロゴドンが「伝わる」ケース、「伝わらない」ケース


同じロゴドンでも、「伝わる」場合と「伝わらない」場合があります。


伝わるケース:


  • ブランドの世界観と、ロゴの使い方が一致している

  • ターゲットがそのロゴに価値を感じている

  • ロゴ自体がストーリーを持っている(マルジェラの四つタグのように)


伝わらないケース:


  • とりあえずロゴを大きくしただけ

  • ブランドの価値が確立されていないのにロゴを主張している

  • ターゲットがそのロゴを「ダサい」と感じている


結局、ロゴドンそのものが良い・悪いではなく、文脈と戦略次第なのです。


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「ロゴがなくても伝わる」という究極形


一方で、僕が理想として憧れるのは、「ロゴがなくても伝わる」というデザインです。


Appleの製品を思い浮かべてみてください。


iPhoneの背面にはリンゴマークがありますが、それが見えなくても、iPhoneだとわかりますよね。


あのミニマルなデザイン、あの質感、あのインターフェース。


ロゴを隠しても、「Apple」だとわかる。


これは世界観が確立されているからこそできることです。


Appleは数十年かけて、「Appleらしさ」を一貫して発信し続けてきました。


その積み重ねがあるから、ロゴに頼らなくても伝わる。



日本の伝統における「無名の美」


日本の伝統工芸にも、似た思想があります。


例えば、民藝運動を提唱した柳宗悦は「無名の美」を称揚しました。


作者の名前がなくても、用途を果たす中で美しさが宿る。


自己主張ではなく、使う人のためのデザイン。


これもまた、「伝わればいい」という哲学の一つの形だと思います。



バランスの問題


ただし、現実のビジネスでは「ロゴがなくても伝わる」というのは、かなりハードルが高いです。


Appleのように長年かけてブランドを築いてきた企業ならともかく、多くのビジネスにとっては、まず認知してもらうことが最優先課題です。


だからこそ、ロゴやアイコニックなデザインは重要な役割を果たします。


要はバランスです。


  • 認知を得るためにはロゴを効果的に使う

  • でも、ロゴだけに頼らない世界観も同時に構築する

  • 最終的には、ロゴがなくても「らしさ」が伝わる状態を目指す


これが、僕が考えるデザインの理想形です。




「伝わらないデザイン」とは何か


ここで逆の視点から考えてみます。


「伝わらないデザイン」とは、どういうものか?


僕が思う「伝わらないデザイン」の特徴は、以下の3つです。



1. 誰に向けているかわからない


ターゲットが曖昧なデザインは、誰にも刺さりません。


「みんなに好かれよう」としたデザインは、結局「誰にも響かない」デザインになりがちです。


ロゴドンが批判される理由の一つは、「誰に向けているのかわからない」からかもしれません。


お金持ちに見られたいのか?


ファッション通と思われたいのか?


そのブランドを本当に好きなのか?


身につける人の意図が曖昧だと、見る側も「なんか違う」と感じる。


デザインする側も、使う側も、「誰のために、何のために」を明確にすることが大切です。



2. 一貫性がない


ブランドやサービスのあらゆるタッチポイントで、メッセージがバラバラだと伝わりません。


ウェブサイトは高級感があるのに、パッケージは安っぽい。


ロゴはモダンなのに、店舗の内装はレトロ。


こういった一貫性のなさは、受け手に混乱を与えます。


「結局、何者なの?」


その疑問に答えられないデザインは、伝わりません。



3. 自己満足になっている


デザイナーが「かっこいい」と思っても、それが相手に伝わらなければ意味がありません。


アート作品であれば、自己表現が目的でもいいでしょう。


しかし、ビジネスにおけるデザインはコミュニケーションツールです。


相手がどう受け取るか、が全てです。


「俺はこれがいいと思う」だけでは、伝わらない。


「相手はこれをどう感じるか」を常に考える必要があります。




2025年以降のロゴとブランディングのトレンド


ここで少し、業界全体の動向についても触れておきます。


2024年から2025年にかけて、ブランディングの世界では興味深い変化が起きています。



セリフ体への回帰


ここ数年、ロゴデザインは「ミニマリスティックなゴシック体」が主流でした。


シンプルで、クリーンで、モダン。


しかし、2025年に向けてセリフ体(装飾のある書体)への回帰が見られます。


例えば、バーバリーは2018年にシンプルなゴシック体のロゴに変更しましたが、2023年には1901年のロゴからインスピレーションを得た、温かみと伝統を感じさせるセリフ体に再び変更しました。



これは「個性」と「伝統」への回帰と言えるかもしれません。


みんなが同じようなミニマルロゴになった結果、逆に差別化が難しくなった。


だからこそ、独自の歴史やストーリーを感じさせるデザインが求められている。



「控えめな上質」への志向


ロゴドン離れの傾向も、確実に存在します。


「ブランド名がドンと入っている=高級」という価値観は、徐々に見直されつつあります。


ワンポイントのロゴや、さりげないアイコンなど、「主張はしすぎないけど、しっかり存在感がある」デザインが支持されています。




両極化する市場


面白いのは、「ロゴドン」と「ノーロゴ」の両方が同時に存在していることです。


ロゴを大きく主張するブランドもあれば、ロゴをほとんど見せないブランドもある。


どちらが正解ということではなく、ターゲットと戦略次第で使い分けられている。


市場が成熟すると、こういった多様化が進むのは自然な流れかもしれません。




僕がデザインで大切にしていること


最後に、僕自身がデザインをするときに大切にしていることをまとめます。


これは「ロゴドンの是非」を超えた、もっと根本的な哲学です。



1. 目的を明確にする


何のためのデザインなのか。


誰に何を伝えたいのか。


これを最初に明確にしないと、デザインは迷走します。


「かっこいいものを作る」ではなく、「○○に△△を伝えるためのデザイン」と定義する。


目的が明確になれば、ロゴを大きくすべきか小さくすべきかも、自然と決まってきます。



2. 一貫性を保つ


あらゆるタッチポイントで、同じメッセージを発信する。


ロゴ、色、フォント、写真のトーン、言葉遣い——すべてが「らしさ」を構成する要素です。


どこか一つでも違和感があると、全体の信頼性が損なわれます。



3. 相手の視点で考える


自分が「いい」と思うかどうかではなく、相手がどう感じるか。


デザインはコミュニケーション。


独りよがりにならないこと。



4. 時代と文脈を読む


マルジェラがガリアーノによって変わったように、時代に合わせた表現は大切です。


ただし、流行に流されるのではなく、本質を保ちながら表現を更新するというバランスが重要です。



5. 「伝わればいい」という柔軟さ


ロゴドンでもいい。


ノーロゴでもいい。


品よくさりげなく載せてもいい。


極端に言えば、ロゴがなくても世界観が伝わるなら、それもあり。


伝わればいいのです。


手段にこだわりすぎない。


目的から逆算して、最適な方法を選ぶ。


それが僕の考えるデザインの基本姿勢です。






中小企業・フリーランスにとってのロゴ戦略


ここまでは、主にハイブランドの話をしてきました。


しかし、この考え方は中小企業やフリーランスにも応用できます。


むしろ、リソースが限られている場合こそ、「何を、どう伝えるか」を戦略的に考える必要があります。



大企業と同じことをしても意味がない


まず大前提として、中小企業やフリーランスが大企業と同じブランディング戦略を取っても、うまくいきません。


予算も、認知度も、歴史も違う。


マルジェラのような数十年の歴史があるブランドが「ノーロゴ」でも認知されるのは、それだけの積み重ねがあるからです。


まだ認知度が低い段階では、「見つけてもらう」ことが最優先。


そのために、ロゴやアイコニックな要素は重要な武器になります。



「小さく始めて、一貫させる」


僕がおすすめするのは、「小さく始めて、一貫させる」というアプローチです。


最初から完璧なブランドシステムを作る必要はありません。


でも、小さな要素でいいから、一貫性を持たせることが大切です。


例えば:


  • 名刺、ウェブサイト、SNSのアイコンで同じ色を使う

  • メールの署名に毎回同じキャッチフレーズを入れる

  • 提案書のフォーマットを統一する


こういった小さな積み重ねが、「らしさ」を形作っていきます。



ロゴよりも「体験」


もう一つ大切なのは、ロゴよりも「体験」を重視することです。


どれだけ素晴らしいロゴがあっても、実際のサービスや製品がひどければ意味がありません。


逆に、ロゴがなくても、体験が素晴らしければ人は覚えます。


「あの人に頼んだら、いつも期待以上の仕事をしてくれる」


「あの店に行くと、いつも気持ちよく過ごせる」


こういった体験の一貫性こそが、最強のブランディングだと思います。



デザイナーとしての責任


僕はデザイナーとして、クライアントのロゴやブランドアイデンティティを作ることがあります。


そのとき常に意識しているのは、「このロゴが、クライアントの目的達成にどう貢献するか」という視点です。


かっこいいロゴを作ることが目的ではありません。


クライアントのビジネスが成功すること。


その手段として、ロゴがある。


だからこそ、「誰に、何を伝えたいのか」を徹底的にヒアリングします。


ターゲットが明確でなければ、どんなロゴを作っても「伝わらない」からです。




ロゴデザインの実務的な視点


ここで、もう少し実務的な話をさせてください。


ロゴを「作る側」の視点から、いくつかのポイントを共有します。



シンプルさは正義


ロゴデザインにおいて、シンプルさは非常に重要です。


複雑なロゴは:

  • 小さくすると潰れる

  • 覚えにくい

  • 様々な媒体で使いにくい


AppleのリンゴマークやNikeのスウッシュが強いのは、シンプルで記憶に残りやすいからです。


ロゴドンが効果的に機能するためにも、そのロゴ自体が「シンプルで認識しやすい」必要があります。



タイムレスであること


流行を追いすぎたロゴは、すぐに古くなります。


2010年代に流行した「フラットデザイン」のロゴは、今見ると少し時代を感じることがあります。


本当に優れたロゴは、10年、20年経っても古く見えないものです。


バーバリーがセリフ体に回帰したのも、「トレンドに左右されない、時代を超えた価値」を求めた結果かもしれません。



スケーラビリティ


ロゴは様々なサイズで使われます。


名刺の小さなスペースから、ビルの看板まで。


どのサイズでも読みやすく、認識できることが必要です。


細かすぎるディテールは、小さくしたときに消えてしまいます。


逆に、単純すぎると大きくしたときに間が抜けて見える。


このバランスを取るのが、ロゴデザインの腕の見せどころです。



多様な背景への対応


ロゴは白い紙の上だけで使われるわけではありません。


暗い背景、カラフルな背景、写真の上——様々な場所に配置されます。


そのすべてで視認性を保てるロゴが、実用的に優れたロゴです。


単色でも成立するか。


反転させても大丈夫か。


こういったテストを経て、本当の意味で「使える」ロゴが完成します。




デザインと哲学の交差点


少し話を広げて、デザインと哲学の関係について考えてみます。


「伝わればいい」という僕の考えは、ある意味でプラグマティズム(実用主義)に近いかもしれません。



手段と目的


哲学では、「手段と目的」の関係がよく議論されます。


ロゴドンの是非を論じるとき、多くの人は手段(ロゴの大きさ)に注目しがちです。


しかし、本来注目すべきは目的(何を伝えたいか)です。


目的が明確であれば、手段は自ずと決まってきます。


「認知度を上げたい」→ ロゴを目立たせる


「高級感を出したい」→ さりげなく、上質な素材感で勝負


「親しみやすさを伝えたい」→ 柔らかいデザイン、控えめなロゴ


手段に囚われすぎると、本質を見失います。



形式と内容


もう一つ、「形式と内容」の関係も重要です。


ロゴドンを「形式」と捉えるなら、その中身である「ブランドの価値」が「内容」です。


形式だけが立派でも、内容が伴わなければ空虚です。


逆に、内容が素晴らしくても、形式が適切でなければ伝わりません。


両者のバランスが取れて初めて、良いデザインが成立します。



美学としてのロゴ


ロゴを「美学」の観点から考えることもできます。


「美しいロゴとは何か?」


この問いに対する答えは、時代や文化によって変わります。


かつては装飾的なロゴが「美しい」とされました。


今は、ミニマルなロゴが「美しい」とされることが多い。


でも、僕が思う「美しいロゴ」は、目的を達成しているロゴです。


見た目の美しさだけでなく、機能としての美しさ


それが、デザイナーとして追求すべき「美」だと思っています。




未来のブランディングはどこへ向かうか


最後に、少し未来のことを考えてみます。



パーソナライゼーションの時代


AIやデータ活用により、一人ひとりに最適化された体験が当たり前になりつつあります。


これは、ブランディングにも影響を与えるでしょう。


「全員に同じロゴを見せる」時代から、「その人に最適な表現を見せる」時代へ。


ロゴ自体が動的に変化したり、文脈に応じて形を変えたりする可能性もあります。



体験としてのブランド


モノの所有から、体験の重視へ。


この流れは、ブランディングにも影響しています。


ロゴを「持つ」ことの価値より、ブランドと「体験する」ことの価値。


Appleが店舗を「Apple Store」ではなく「Town Square」と呼んだのは象徴的です。


ブランドは所有するものではなく、体験するもの。


その考え方が広がっています。



サステナビリティとの関係


サステナビリティへの関心が高まる中、「大量消費」を象徴するような派手なブランディングは敬遠されるかもしれません。


ロゴドンが「消費主義の象徴」と見なされれば、ネガティブなイメージがつく可能性もあります。


一方で、ブランドの価値観(サステナビリティへの取り組みなど)を積極的に発信するためにロゴを使う、という方向性もあるでしょう。


いずれにせよ、社会の価値観とブランドの価値観の一致がますます重要になってきます。




まとめ——ロゴドン論争を超えて


今日は「ロゴドン」という入り口から、デザインの本質について考えてきました。


ポイントをまとめると:


  1. ロゴドンそのものに良い・悪いはない——文脈と戦略次第

  2. マルジェラの例が示すもの——時代に合わせたコミュニケーションの再設計が重要

  3. キャラクターグッズも「ロゴドン」——アイデンティティを可視化することの価値

  4. デザインの目的は「伝わること」——認知→理解→共感の3レベル

  5. 「伝わればいい」という柔軟さ——手段より目的


ファッション通が「ロゴドンはダサい」と言っても、それは一つの意見にすぎません。


大切なのは、自分が何を伝えたいのか、誰に伝えたいのかを明確にすること。


そして、その目的を達成するために最適な手段を選ぶこと。


ロゴが大きかろうが小さかろうが、見えようが見えなかろうが、伝わればいいのです。


デザインの本質は、常にそこにあると僕は思っています。




参考情報




この記事は2026年1月4日時点の情報に基づいています。

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